黒にんにくのお話

黒にんにくはなぜ体に良いのか

S-アリルシステインの抗酸化作用と
ポリフェノールの渋味の話

黒にんにく「アホ熟丸」

S-アリルシステインって何?

S-アリルシステインには、日常生活における一時的な疲労感を軽減する機能がある事が報告されています。
S-アリルシステインの抗酸化作用によって自律神経が調整され、 疲労感の回復を促進する機能が報告されています。
また、S-アリルシステインを1日2mg摂取した研究で、疲労感の回復が報告されています。

あほやにんにく堂の「アホ熟丸」は1片(約7g)に、S-アリルシステイン2mg含有しています。
※自然のものですので、含有量には個体差があります。

日本食品分析センター調べ
S-アリルシステイン 0.31mg/g(3回繰り返し試験)

S-アリルシステインは体にとどめておくことができません
S-アリルシステインは、一度にたくさん食べても排出されてしまいます。
そのため、必要な分を毎日少しずつ摂り続けることが大切です。
マウス実験では、摂取したS-アリルシステインは代謝されたのち、最終的にはそのほとんどが尿に排出されると報告されています。

1日に1~2片お召しあがり下さい
たくさん食べても必要以上は排出されてしまうため、 1日に1~2片(7~15g)がおすすめです。

毎日コツコツ続けることが大切です
摂取2日程度で、S-アリルシステインは 血中から無くなることが示唆されています。
少しずつを毎日続けることが大切です。
S-アリルシステインの血中濃度ピークは 摂取30分~2時間程度でした。
24時間後には血中濃度は低下していました。
血中のS-アリルシステイン濃度が0になるのは摂取33~46時間後と推測され、摂取2日程度で血中からは無くなることが示唆されました。

S-アリルシステインって何?
 S-アリルシステインは、イオウを含む無臭のアミノ酸(有機化合物)です。
 揮発性ではなく、親水性という水に溶けやすい性質を持っています。
 強い抗酸化作用を持っており、複数の機能性が報告されています。

S-アリルシステインが「疲労感軽減」にどの様に作用しているの?
研究では、S-アリルシステインの抗酸化作用によって、「自律神経機能の調節」をしていることが示唆されています。

交感神経
活動、興奮

リズムよく入れ替わることが大切です

副交感神経
休息、リラックス

休息期であっても、疲労状態では副交感神経が上昇しないことにより、 交感神経優位になることが報告されています。
S-アリルシステインを摂取している被験者は、運動負荷活動後の活動期に有利な交感神経優位な状態にあり、 更に回復期には休息に有利な副交感神経優位な状態にあることがわかりました。
この結果から、S-アリルシステイン摂取により、それぞれの状況に適した自律神経機能の状態に調節されていることが示唆されました。

<参考文献(研究論文)>
・「S-アリルシステインの身体的な疲労軽減効果―ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験―」高柳勝彦 他(薬理と治療 vol47 no.4 2019)
・「熟成にんにくエキス含有食品摂取による睡眠の質向上効果および疲労軽減効果に関するメカニズムの研究―ランダム化二重冒険プラセボ対照並行群間比較試験―」松井颯 他(薬理と治療 vol50 no.4 2022)

2006年のマウス実験でわかったこと
マウスの腫瘍に対して、黒にんにくの抽出物は抗腫瘍作用に優れている
本研究では、熟成黒にんにく抽出物(遠心分離機・凍結粉砕したもの)を使用する。

黒にんにくにおいてS-アリルシステインは大幅に増えました
 熟成した黒にんにくは、アミノ酸(特にシステインや、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、バリン、アラニン、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸)の量が大幅に増えました。S-アリルシステインも大幅に増えました。
 黒にんにくにおける最も重要な有機硫黄化合物は、水溶性のS-アリル合成物と考えられます。

酸化防止効能
黒にんにくの抽出物は酸化防止効能が大幅に増え、その活性は生にんにくの2.5倍になります。

抗腫瘍活動
マウスの腫瘍に、黒にんにくの抽出物を注射する3回目の治療後、治癒率が50%になりました。
完治しなかったマウスも、治療を受けなかったマウスに比べると、腫瘍は半分の大きさにまで抑えられました。
それに対して、生にんにくの抽出物は、腫瘍のあるマウスを治癒できませんでした。
黒にんにくと生にんにくの抽出物の治癒の差は、熟成した際に著しく増加するS-アリルシステイン量の差に影響していると考えられます。

腫瘍細胞に対する細胞毒性検査
黒にんにくの抽出物には、腫瘍に対する毒性は明らかになりませんでした。
したがって、抗腫瘍活動における免疫組織増進などのその他の作用が存在すると考えられます。

<参考文献>
「マウスの腫瘍に対して、加工された黒にんにくの抽出物は抗腫瘍作用に優れている」
弘前大学医学部保健学科 佐々木甚一
有限会社天間林流通加工 町屋栄之介 他

ポリフェノールって何?


大事な「渋味」のお話だよ!

ポリフェノールとは
 ポリフェノールとは、植物が産生する二次代謝産物(成長には直接関与しませんが、置かれた環境下での生存に必要)のうちで、フェノール性の水酸基を複数含む化合物です。
 複雑に化学式が異なる化合物群の集合体であり、およそ8,000種類が植物界に存在します。
 ポリフェノールは食品の苦みや渋味の成分です。(ワイン、ウーロン茶、柿など)

ポリフェノールの長期摂取と単回摂取
 長期摂取では、心血管系疾患リスクの低下に寄与することが、多数の研究により立証されています。
 単回摂取では、数時間後にすでに血管内皮機能・耐糖能(血糖値が高くなった時にそれを正常値まで下げる能力)の増進といった抹消臓器への作用だけでなく、脳血流量の増加や作業記憶の改善などの脳機能への作用が認められています。

長期摂取と単回摂取による作用って?
長期摂取による作用→日常的に食べ続けて得られる作用
単回摂取による作用→食べる都度得られる作用

単回摂取と「渋味」
 渋味を有する重合ポリフェノール類(渋味成分)を食べて「渋味」を感じると
①口を含む上部消化器官によって瞬時に認識され
②その刺激が中枢神経系に伝達され、脳が活性化すると
③この刺激は脳幹を発火させ、脳幹を起始点とする交感神経活動を亢進し
④循環刺激やエネルギー代謝などの抹消組織に対する有用な作用を発揮
 摂取数十分後に発現する脳血流量を伴う作業記憶の改善については、口を含む消化管上部における「味」を介した作用であると推察されます。

どうして「渋味」を感じると作用するの?
渋味が生体にとってストレスになり、交感神経活動が亢進することが示唆されています。交感神経活動の亢進は、ストレス負荷時に起こることが良く知られています。

毎日コツコツ食べよう
 毎日少しずつお召し上がり頂くことが大切です。
 ポリフェノールは、体に留めておけません。摂取後、2日くらいで排出されることが報告されています。摂取後、胃及び小腸の通過時間は約2.5~3時間であり、大腸に到達した後に約30~40時間かけて排出されることが報告されています。

<参考文献>
 「食事由来ポリフェノールの機能性研究の展望と社会実装化ポリフェノールの摂取目安量の策定へ向けて」寺尾純二 越坂部奈緒美(化学と生物 Vol.59, No.5, 2021)
 「フラバン3-オール摂取後の食後の生理学的変化のメカニズムの可能性」越坂部奈緒美 寺尾純二(Nutrition Reviews, Vol.76, No.3, 2018)
 「食品中のタンニン;渋みと苦味の分子認識への洞察」S.Soares, 他(Molecules, 25, 2590, 2020)
 「フラバン3-オールの単回経口投与は、血漿および室傍核におけるストレスホルモンの上昇でモニターされるストレス応答を誘発する」Y.Fujii, 他(Neurosic. Letter, Vol.682, 106, 2018)

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